ダウンセット

ROMA/ローマのダウンセットのネタバレレビュー・内容・結末

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まぁ、フルチンホーケーゲス野郎に嫌悪しかない方が大多数だと思いますが、擁護はしないが激しく同情してしまう僕がいます。フルチンホーケーゲス野郎を取り巻く情勢はどう考えてもポジティブな未来を描けない訳で。現実逃避としての快楽を希求した結果、物理的な妊娠という現実は、現実逃避にはならない訳で。ヘンテコな武術も現実逃避の最たるものだし。婦人科の先生も「大丈夫。よくある事」と言っているように命は常に目に見えない何かに忖度されているのかもしれない訳で。「チッ。この召使が!」はフルチンホーケーゲス野郎の本心かと言えば決してそうではなくて、未来を描けない自分に対する呪詛だとも解釈できる気がしなくもない訳なので、どうか穏便に計らって頂きたいのです。ホーケーだけど彼もまた生きていかなければならないのです。ピストル振り回しながらでも。
「本当は産まれて欲しくなかった」と懺悔する彼女も同時に未来を描けない、若しくは思い出してしまったが故の告白で、これもまた本心ではないと思う。このシーンの前に浜辺で独り言ちる男子の回想と、彼女の懺悔が観る者の扁桃体を刺激し、喜怒哀楽の溝に落とし込まれた僕は胸苦しさと同時に何かに開放された感情が湧き上がってくるのを認知した次第です。
ワンちゃんのウンチが転がってるのに、結構な感じで放ったらかしなのは日常の風景だからで、掃除はするけどワンちゃんのしつけはしない。日常から離脱するパパはウンチに嫌悪感を抱く。
そして又、パパを擁護するつもりはないけど、激しく同情してしまう僕がいる事を、ここに記しておきます。

※エマニュエル・ルベツキっぽくねーなーなんて思いながら観てたら、スケジュールの都合で監督自身が撮影したらしいです。