人生だった…
聞いてくれ、人生だった。
おれが1歳の誕生日を迎えた週、「仮面ライダークウガ」が始まった。
初めて買ってもらったアギトの変身ベルトは、「左右ボタン同時押し」が幼いおれには難しすぎた。
「サバイブ-烈火-」がぐちゃぐちゃに折れ曲がるまで遊び倒したドラグバイザーツバイ、
リビングのソファに色移りしてしまったカイザフォンのガンメタリック、
「「大人になったらオレも仮面ライダー嫌いになっちゃうのかな?」」、
ギャレンラウザー、音角、ニビイロヘビ、なんとなく持ってた食玩ゼクターボマー、
「今年で卒業かな?」と買ってもらったデンオウベルト、
キバ、ディケイド、
もう周りの誰も仮面ライダーなんか観てなかったけど、
ダブル、オーズ、
部活で第1話を見逃したフォーゼ、中学帰りに回した「ガシャポン ウィザードリング01」、
親に隠れて初めて自分のお小遣いで買った戦極ドライバー、高校の帰りにヨドバシで買ったドライブドライバー、
ゴースト、エグゼイド、ビルドも心から楽しめて、
大人になってもおれは、
仮面ライダーが嫌いになれなかった。
周りの同級生に肯定されなくても、日常回やギャグ回に「これは子供向けの番組なんだぞ」と突きつけられても、
どこか後ろめたさを感じながら、仮面ライダーファンでいることをやめられなかった。
12月26日、大学の帰りに映画館へ向かい、平日だと思ってたらもう年末だから親子連れもメチャメチャいるじゃん失敗した〜とか思いながら、
小さいお友達の隣に座ったら怖がらせちゃうかなと思ったから(金髪なので)、「親子連れなら子供をスクリーンの真ん中に近い方に座らせるだろう」と読んで端の席を取ったのに、
結局おれのとなりに子供座ってるし、めっちゃこっち見てるし、なるほどトイレ行きやすいようにって配慮か〜誤算だな〜とか思いながらホットドッグ食って、
映画が始まってからはもうそんなこと考えていられなくなった。
周りの誰に肯定されなくても。
「おれが自分の世界に仮面ライダーを肯定する限り、
仮面ライダーも俺を肯定してくれる」、
そういう映画だった。
この映画で、はじめて、
俺は、
スクリーン越しに「仮面ライダー」という概念と"目が合った"!!!!!!!!
祝え!!
"大きいお友達"と揶揄され続けた大人たちが、
それでも仮面ライダーを好きでいていいのだと、真に認められた瞬間である!!!!
※この文章は観終わってすぐ書いたのに恥ずかしすぎて半年寝かせていたものです