ミーハー女子大生

記憶にございません!のミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
4.0
シネマ冒頭で注意書きがある: 「この物語はすべてフィクションです、実在のものではありません、もしよく似ていたとしても たまたまです」

私は今作品予告編からかなりスラップスティックコメディを想像していました。
思い切り笑ってストレス解消するぞって、期待してもいました。
ところが、 予告編の「ガハハ」テンションは最初のシークエンスのみ、 有ろうことか今回の三谷シネマは、ハートウォーミングホームドラマでした。

記憶を失った総理大臣と政敵との確執はほんの隠し味程度、 夫婦愛を取り戻し、父親の尊厳を築いていくスクルージ総理の懺悔物語に意表を突かれました。
終わってみれば、空虚なギャグやドタバタアクションなどより数段上等なシネマになっている。
こんなシネマも嫌いではない。

さて、「たまたま似ているとしても、これはフィクション、実在の話ではない」というテーゼを思い出そう。
この物語では、ありえない理想的政治家を描くという逆説的な内容をして実在の話ではないという。
二重の辛辣なメタファー、 ハートウォーミングドラマにして、強烈なキック、 三谷幸喜さん 健在なり。

ストーリー 4
演出 4
音楽 3
印象 4
独創性 4
関心度 5
総合 4.0