りっく

ゾンビランド:ダブルタップのりっくのレビュー・感想・評価

2.5
失踪したアビゲイルブレスリンを他の3人が探しに行くという本筋はあるものの、その一点だけで突っ走るにはあまりにも推進力が弱い本作は、逆にこんなにグダグダしているのに楽しく見られるのは俳優の力量なんだなと改めて再認識させられる。

バカを絵に描いたようなイタイ女と、プレスリー好きなマッチョ女がスパイスとして登場するものの、基本的にはウディハレルソンとジェシーアイゼンバーグ、そしてエマストーンの絶妙な弛緩加減がゾンビに支配されつつある切迫した世界を完全に忘れさせる。

だが、あえて人間もゾンビも馬鹿ばかりでIQがこの上なく低下した世界観の中で、前作から時間が経ったにも関わらず主要キャストが続投するという稀な同窓会的作品なのに、俳優たちの力量に胡座を描いた作り手の演出力のなさを嘆かざるを得ない。

もっと馬鹿に振り切るか、無茶苦茶やり切るか、景気良く突っ走るか、どことなく中途半端だからこそ、最終的におまけのように登場するビルマーレイに頼らざるを得なくなる。真面目に考えるのが野暮な作品ではあるが、だからこそもっと振り切れたはずだ。
りっく

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