shimo

マイ・ブックショップのshimoのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

本への愛情を感じる映画…というのはどなたも言っておられますね。
「華氏451度」の小説が映画内で何度か登場します。まさに本、本屋が街にあることで人が豊かになることを感じさせてくれます。

私はこの映画の内容が、現代の大企業と中小企業の戦いのように思えました。
保守的な町に新しい小さな会社。大手企業が目を付け出て行けと迫る。
出て行かないならと、法で責め、同じ分野の会社を近くに設立し、潰しにかかる。
小さな会社が無くなっても、町民は困らない。一つあれば十分だから。

町の住民は従ったほうが楽だからと、大企業側に加勢します。罪の意識はなく、頼まれたからと言い、それを町のためだとすら思っている。

悲しい物語ですが、目をそらしてはいけない現実的な悲哀をこの映画から感じることができました。

エドマンドが勇気を振り絞り、バイオレットに苦言を呈しに行くシーンがすごく良いです。
本当の勇気は堂々としたものではなく、口の中をカラカラにして、足を震わせながらいくもので、誰にでも振り絞れるものだと感じました。

最後に本屋の手伝いをしていた、娘が、フローレンスの意志を受け継いで、本屋を開いています。
革命は例え失敗に終わっても、その革命家の背中を見た、次の世代に受け継がれていくという現実的な救いを魅せてくれました
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