ぐるぐるシュルツ

シエラ・バージェスはルーザーのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

3.5
容姿と内面は必ずしも一致しないけど、絡み合っている。これは事実。
でも、君を知れば知るほど、もっと綺麗に見えるんだ。
だから自分を偽らないで。

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Netflixオリジナルのティーンエイジャーもの映画。
ありきたりかなぁ、と思っていたけど、
ミレニアル世代独特な視点が多くて、
面白かったです。

学業や親譲りの文才はあるものの、
容姿に自信がなく学校では
除け者扱いされているシエラ。
そんななか、突然、
イケメン優男から学校一のマドンナ宛と思われるテキストメッセージが送られてくるようになる。


この作品でとりわけグッときたのは、
マドンナのベロニカが
完璧な悪役ではなくて、
わりに序盤で味方になることです。

よくある、外面美人は性格最悪だとかの、
極端な内面美化・持ち上げが描かれていなくて、個人的に共感しやすかったです。

努力して自己改革を遂げる類いのシーンもありません。(スポ根好きには、少々残念)
それよりも、
徹底的に自分のままを受け入れること。
環境やステータスから逃げず、
誤魔化さず、偽らないこと。
そっちの方が、やっぱり
ずっと根性のいることなのかもしれませんね。

特に、シエナが恋をし始めた時、
いくら馬鹿にされても、
痛くもかゆくもないっていう姿勢が、
すごくカッコ良かったです。

内面と外面は、まさに表裏一体。
内面の醜さは外面と、必ずしも相関関係ではないけれど、それでも絶えず変化し密接に絡み合っている。
ベロニカの内面を知れば、一層可愛く見えるし、
シエラの外面コンプレックスは、内面を深める一方で、醜くもしている。
自分に置き換えても、
これってほんと難しいバランスです。


シエナとベロニカが心打ち解けていくシーン、
90年代風のハッピーエンディング
(&各々の短い後日談)は、
くすぐったいくらいの
青春ど真ん中です。
曲もとても良いんだから。