でぃけ

Girl/ガールのでぃけのネタバレレビュー・内容・結末

Girl/ガール(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初の10~15分くらいが観られませんでしたが、ざっくりとしたストーリーは主人公のララは体が男の子の心は女の子。バレリーナになるのが夢で、父と幼い弟がいるということでした。

思春期真っ只中のララ。只でさえ心と体があってないのに、不安定な思春期、バレエが上達しないこと、周囲からの視線が重なりララの心はぐちゃぐちゃだったと思います。女性になる手術を受ける事になっていても気持ちばかりが空回りして早く女性になりたいと焦る姿は痛ましかったです。それでも彼女の努力は凄まじく、レオタードを着るにも皮膚を真っ赤に腫らせながらも股にテーピングをし、女子からのイジメ(更衣室でシャワーを浴びないのは何故なのか問いただされ他の子もいる中で浴びせさせられる・女の子達のお泊まり会に呼ばれララは私達の裸を見てるんだからララも女の子同士であるなら見せるべきだと迫る)も無言で耐えました。耐え過ぎてました。本当はとても辛いのに言えないでいました。
唯一の救いはララの父が理解者であるということ。ララのことを深く愛し、ララの事を一番に考え、手術も協力的だし何よりララの事を理解しようと一生懸命働きかけていました。しかしララは思春期故にそれをうざったいと感じてしまうすれ違いが観ていて辛かったです。
ララの性が女性であることもあり、恋愛は男性女性どちらなのかというシーンがありました。女性なんだから男性が好きなんだろうという父の発言(後に彼氏でも彼女でもどちらかとご飯が食べたいと言ってましたが)や、医師?の男性から素敵な男性を見付けるべきだと促され、たまたま向かいのマンションに住んでる男性の濡れ場を目撃し、自分もその男性に近付き関係を持とうとするも体に触られるのがやっぱり抵抗あるララがまた痛ましくて見てられませんでした。男性と恋愛をしようと頑張ったんですね…。

ラストはもう辛くて辛くて。
舞台公演目前に倒れるララ。自分が出るはずだった舞台を客席から傍観する姿は怒りや憎しみや無念や悔しさがごちゃごちゃだったでしょうし、過度なストレスからくる不眠や食欲低下でバレエは休止、ホルモン治療や手術さえも出来なくなり何もかもを失った彼女は自ら救急車を呼び性器を切り落とします。此処のシーンのララの断末魔が今まで大声で泣けなかったララの叫びにも聞こえて余計に辛かったです。
最後はララが髪を切り、一人で地下鉄通路のようなところを歩くシーンで締め括られましたがバレエは辞めてしまっただろうし、手術もどうなったのでしょうか。ちゃんと彼女が幸せになれるよう願うばかりです。
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