でぃけ

ミッドサマー ディレクターズカット版のでぃけのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

メンヘラ気味の女の子ダニーと、優柔不断でダニーと別れたいと思ってる彼氏のクリスチャン。そして同じ院生の仲間の内の一人の故郷、スウェーデンの夏至祭に行く話。

贅沢にも初回でディレクターズ版を観ました。怖いシーン、グロテスクなシーンが見れなくて終い目を瞑ってましたがこういう映画に変にモザイク掛けられるとゲンナリするので良かったです。
おぞましいカルト集団の話と思ってましたが、監督は失恋映画として創ったらしく驚きましたが考えてみれば納得かなとも思いました(最後のシーンで)。
家族が心中し、唯一生き残ったダニーは天涯孤独となり彼氏に依存してるが彼氏はうんざりしていて、同情で傍にいるだけ。心の溝は埋まらない、誰にも愛されない、必要とされていない。そこでそれを満たしてくれるのが夏至祭の開催地であるホルガという小さな集落。俗世とは切り離された僻地にひっそりと佇む未知の地。そこで行われる伝統は生け贄として人を捧げたり、輪廻転生として72歳で皆に見守られながら飛び降りをしたりする。全てが可笑しくて、でもそれはそのコミュニティにいる人は、なんにも可笑しいと思わない。それがホルガの生き方であり伝統だから。

友人の卒論テーマをパクって開き直った辺りでもうクリスチャンに対して失望をしました。村の女の子に何度かアプローチをかけられた時もキッパリ断らなかった時点で優柔不断さが出てます。ダニーも儀式の事には酷くショックを受けますが集落の人々とは馴染んでいて、じわじわ侵食されているのが分かります。
集落の人々がずっと笑顔で、集落があまりにも浮世離れの美しさで、現実ではないようなことが起こりすぎていて、目眩が止まらなかった。あとホルガの人々は日常的にドラッグを使っていたのでしょうね。ダニー達が最初にペレの旧友から貰ったのも、踊りの前に飲んでいたのも、パニックを起こしたダニーにペレが「落ち着くよ」と渡した匂袋?も恐らく…。ドラッグと世間から離された小さい集落による洗脳と圧迫と宗教と…今でも感情が収まりません。最後にダニーの呼吸に合わせて動く花や肉もドラッグのせいなのか、はたまたホルガの一員になった証なのか謎でした。
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