綾

グリーンブックの綾のネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

心が痛くて泣いて、心から嬉しくて泣いた。真っ直ぐに響く良い映画だったなあ、としみじみ思う。こういう心の浄化を求めて私は映画を観るんやなあ…

トニーとドクの掛け合いが好き。ほっこりしたりくすくす笑ったり。手紙のくだりとか最高でした!粗野なトニーと神経質気味なドクだけど、心の真ん中の温かさはきっと似ている。

まったく別物だと分かっていながら『ドライビング Miss デイジー』がちらついた。
本作は実話に基づく作品だということで、最近(?)だと『ライオン』とかもそうだけど、本編のあとに実際の二人の写真を見せられたら泣くに決まってる…!!あぁこんなに尊い関係性が現実にもあるんやと、胸がいっぱいになる。

現実の複雑さや煩わしさ(…というほど不幸じゃないし恵まれてるんやけど)から逃げるために私は映画を観るけど、良い映画に出会うと、あぁ人間も人生も捨てたもんじゃないなあと思える。まさにこの映画がそうやった。
不条理なことも辛いことも沢山ある世の中だけど、人の心と心を繋ぐ何かには、そういうもの全てを“意味無きこと”にしてしまう力がある。
たとえば誰かが自分のために怒ってくれたり、悲しんでくれたり、喜んでくれたりした時、あぁもうどうでもいいかもしれないってくらいに救われる。
そんな、人と人の心を繋ぐ何かの尊さをひしひしと感じさせてくれる映画でした。

ラストシーン、トニーとドクのハグに泣いて、奥さんの一言にさすが!と笑って、泣き笑いの表情で映画を観終えた。とても良かった。
綾