takanoひねもすのたり

ジョーカーのtakanoひねもすのたりのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

タクシードライバー+キングオブコメディ。

バットマンシリーズの最凶の悪役JOKERが、心優しいアーサーからJOKERになるまでのお話。

自分が直近で観たホアキンフェニックスの映画ってビューティフルディなんだけど、この時はムチムチでモサモサな風貌だった。
JOKERを観たら、何!あの背中の背骨、胸骨、肩から肩甲骨、臀部の激痩せにまず動揺。

トゥレット症候群で、突然笑いだすあの目が泣きそうなのに口から引き攣れた笑い声が出るのを止められない顔の表情。
ホアキンフェニックスすげぇ……絶句。

劇中ではクラウンで統一されていたけど字幕はピエロ。
涙が付くとピエロになります、馬鹿にされながら観客を笑わすけど哀しみが伴ってることを意味してます。
冒頭のメイクなんて自涙でピエロメイクになってるもんなあ…。

アメリカで子供に規制になっているのは銃社会だからで、10代の乱射事件が事実起きてるし、この映画に感化されて銃を構えてしまう事件が出てきちゃうことを懸念してるんだと思う。

悪と正義を取り違えたり、無敵の人になって社会を断罪してみたり、今までだってそういう事件は無くはなかったし、あちらは銃が手に入る環境だから尚更なのかも。

で、観終わった後の感想なんですが、
圧倒的にホアキンすげー!!!でした 笑
ねぇ大丈夫?
JOKERに魂入れ過ぎてる気がするけどちゃんと帰ってこれてる?
って心配になるほど。
※JOKERの続編は現状無いと断言されてるけど、ホアキンと監督の双方の熱意はあるようで、このタッグでの新作は将来的にありそうだけど、それがJOKERの続編になるかは全く未知数。

地下鉄で警官が暴動に巻き込まれボコボコにされてるのをスルーして自然に歩き去るシーンや、階段でのダンスのシーンが、めちゃめちゃカッコ良かった。

煙草吸う仕草がいちいち渋い…!!!
煙草に絡む手の仕草を観るのが好きなんですよ、煙草苦手なんだけど、小道具としてはバンバン使っていただきたい…!!!
(なのでワンハリも煙草がんがん吸ってて最高でした)

善と悪、正義と不義、富裕層と切捨てられた人達。
アパートへ帰るため階段を登っていくアーサー、
階段を降りて行くのが仲間にハメられクビにされ怒りを漲らせたアーサー。
階段の上に刑事が立ち、踊りながら優雅に降りていくのがJOKER。

アーサー(JOKER)の虚実乱れた一人称視点の話なので、ラストシーンが気になって。
・手錠をかけられていた
・廊下に血のあと
カウンセラーを殺ったという意味だと思うのだけど、あれはどの時点に入るの?
手錠付きだし、単純にデニーロ殺害の後のパトカー連行されて収監された後?
その後の暴動者達による立ち上がれ俺等のヒーロー!的な出来事は妄想?
※同じアパートの女性との恋人関係は妄想。
※幼少時の虐待は本当だと思う。
※母親殺害も本当だと思う。
※テレビ出演、デニーロ殺害は本当。
※ブルースの両親殺害は、JOKER本人の視点によらないから妄想だと思う。

そこだけ気になるんだよなあ。

音楽すごく良かったけどヨハンヨハンソンの弟子…!!
あの、どぉおおおおんっていう低音。
あれJOKERへ至る心情の爆発みたいなの現してんのかなと。

やっぱりJOKERになって階段で踊るこのシーンの音楽。
絵面とあいまって見応えあったなあー。
Gary Glitter - Rock & Roll Part II | Joker OST

追記:
アーカム精神病院でカウンセラーと話している時に「ジョークを思いついた」と言って笑うシーン。あの笑いだけがアーサーの心からの唯一の笑いなんだそうだ。