katoharu

ジョーカーのkatoharuのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
人はみんな寂しがり屋で、1人じゃ生きられないのだなぁと。ジョーカーは、自分が幸せになれる居場所を見つけたかった。悲しい事件が続き、信じるものに裏切られ、心や正義の均衡が壊れてしまった悲しすぎる人間の話。同情なんて要らないと思うのだろうけれど、誰か1人でも、アーサーだった彼に寄り添って心の底からハグしてあげられる人が周りにいたらと思う。本人もそれを一番求めていた。本人の弱さとかひがむ気持ちとかも強くあるとは思う。
でも人間は弱い。分かっていても。
観終わった後、悲惨な気持ちに沈む事も無く、妙に高揚するわけでもなく、ある意味普通というか、何となくぼーっとはしたものの、優しい気持ちになった。ジョーカーのような人間を産み出す危うさは、日常の中の不均衡や自分自身の居場所への違和感に潜んでいる。大切な人達に恵まれた違和感のない自分の毎日に感謝。
ナットキングコールのSmileが沁みますわ。
政治的な意図の深読みも出来そうだけれど控えます。ゴッサムシティは昔のNYのイメージ。

昔から、伝説的な兄の衝撃的な死に隠れてというか、リバー・フェニックスよりガタイが良くてちょっとミステリアスな雰囲気のある弟という認識のみだったホアキン。申し訳なかった。これはアカデミー賞かな。(感情やら身体やらが壊れていないか心配。)
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