あかーぎー

ジョーカーのあかーぎーのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8
元々アメコミ系映画は見てなくて
ノーランのダークナイト三部作だけはめちゃくちゃ好きやった。
ジョーカーの予告見ても興味が湧かなかったけど
めちゃくちゃ評価が高かったので気になって観てみた。

正直、言われてる程良いとは思わなかった。
ただジョーカー役のホアキン・フェニックスの演技は凄いし
画作りが綺麗なのでそこは文句ない。
内容も好きな部分もあったけど、何より気になったのは
僕が大好きなスコセッシ監督の
「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」を
そのまんま足して2で割った様な作りになっていたのが不満やった。
どちらの主演でもあるロバート・デ・ニーロが本作に出てるし
何よりその役柄とかキング~を明らかに意識した配役なってる。

ノーランの三部作の中でも2作目の「ダークナイト」が一番好きで
象徴すべきはヒース・レジャー演じるジョーカー。
演技っていうのもあるけど、何よりキャラとしても凄かった。
バッドマン映画は全く観てこなかった僕からすると
ジョーカーといえばダークナイトのジョーカーというイメージしかない。
そんなダークナイト版ジョーカーの良さが本作ではほぼ消されてる。
ダークナイト版ジョーカーはバックグラウンドが見えないからこその恐怖があった。
劇中でも自分の過去をデタラメに喋るシーンがあった。
本作では、悪役の誕生を描いた話としては凄く普通。
なのでベタなバックグラウンドを描かれては
ダークナイト版ジョーカーの良さが消されたように感じてしまった。

映画としては、喜劇・コメディが
シナリオ・セリフ・ラストカットなどから
凄く意識されてるのが見えて、そこを掘り下げられてたら
めちゃくちゃ良かったのになーって思った。

個人的には本作において、現実世界で世の中の不満が溜まってる状況とリンクしてるって評価の仕方はあまり好きではないかなー。