けん

ジョーカーのけんのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

勤め先、部屋、病院から出ていくとき、解放されたjokerの進む世界は光に満ちていて、とても美しい。
階段のダンスのシーンは特にそれが際立っていた。

jokerの言動には何の正当性もないにもかかわらず、説得力がある。
それが社会のムーブメントに繋がっていく。

反社会的でありながらも、コンプレックスを昇華して変身を遂げられることは、希望になっている。

善も悪も無い主観のぶつかり合い(すれ違い)に対して、モヤモヤとした無力感を覚える。

二度目の鑑賞。
タクシードライバーとキングオブコメディを観た後に。

二つの映画の文脈の中で、jokerを観るとすべてのシーンに仕掛けがあって、めちゃくちゃ面白かった。
ロバートデニーロの役どころも凄く良い。

二度目はどのシーンが現実で、どのシーンが妄想か考えながら観た。

この映画がキングオブコメディのオマージュで締めくくられたことによって、妄想の範囲の規模感が掴めなくなって面白かった。
アーサーがジョーカーになるっていう話そのものが妄想だとか、バットマンの存在自体がジョーカーを際立たせるための妄想の産物だとか、色々と考察できて面白い。

物語の余白の可能性がこんなに大きい映画を見たことがない。

映画をガチガチのコンテキストの中で作ることに成功すると、2時間ちょっとの尺でこんなに深みが出てくるのかと、驚きを覚えた。
けん

けん