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長いお別れのVigocultureのネタバレレビュー・内容・結末

長いお別れ(2019年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

保険のCM?再現VTR?

これから見にいく人に言いたい。
「湯を沸かすの監督が送る絶賛ハートフルドラマ」と思って見にいくと痛い目見るかもよ。

前作で心に刺さる作品を作った反動か、「やりたいことができるようになった」人が本当にやりたいことがこれだったのか。
(やらされたモノ であって欲しい)
なぜかヘタクソな方に振ってきた作品。
僕の中では是枝作品で言うところの「奇跡」です。


ちょっとこれは腹立つくらい好きじゃなかった。
がっつりスベりに行ってドヤ顔してる感じの場面が多くて、ムカムカする。
前半はもう、1分に1回スベってる。
いい感じのとこで毎回テンポダウンするのもきつい。だいたいお母さんと外国組がやらかしてテンポダウン。

スベるって、笑えないって意味だけじゃなくて、
“効いてない”ってことで。
笑えはしても、重ならない。わかりやすくオチてはいても、2時間で見せてる以上積み重ねる部分がないと。
ぷよぷよと同じ。ちまちまやってても、ドン!っていくところがないと意味ないのよ。


それもこれもあの”お母さん”像が全ての悪であることは前提として。

「湯を沸かす」を好きで、それを見たくて、みたいな気分なせいか反発でやられた…
むこうが段々と「つながっていく」物語だとすれば、これはまさに段々と「離れていく」物語なんで、進めば進むほど精神的に食らう。
離れていく中で今すでにある繋がりを見つけていくのはいいテーマなんやが、
それで重くなるとこを軽くしようとしてなのか、要らんとこでスベり足されてるのがなぁ…


山崎努が写ってないシーンぜんぶ見てられないくらい薄っぺらく感情移入しにくい描写が多くて、きつい。お母さん単体のとこはもうヤバすぎる。

山崎努以外の登場人物全員、なんであんな不自然な演技(演出)にしたんやろうか。

外国の設定はまるごと余計すぎる。
外国関連見た目も話も全部チープ。

スーパーの万引き要らん。
蒼井優の後輩いらん。
GPSの「あ!消えた…お父さん死んじゃった!」のとこ、エグいねんなスベり方が。
不謹慎とかじゃなくて、これ誰向けの笑いやねんと思ってしまった。
三谷幸喜とMr.ビーンがベタにベタを重ねた先でやる笑いじゃない?
「ベタで笑うんだ僕らは」態勢があって初めて笑える手のもので、
その態勢を作らせるには前半のテンポが悪いし。

震災のシーンは、震災後の「みんな今ある繋がりを
大事にしよう」の煽りを受けてしまった蒼井優はよかったけど、「家族には勝てないよ」が無理矢理感、とってつけた感ある。

スイカ食ってるとこまるごとやらかしてる。

遊園地のあとに持ってきた2つ。
これもキツイ。
外国の校長室のくだりは指摘したくもないくっせぇくっせぇ生ゴミよあんなんは。


孫役の子のキャスティングほんとダメ。
あんな愛嬌も何もない中途半端なヤツ大画面に出すな。
是枝さんのわかりやすい子役のキャスティングを見習え。
子役に「演技」はないの。
じゃあ何を映すのかって顔でしょ。
顔が物言うのよ子役と犬と猫は!
一番可愛くない年頃を設定してる点で終わってるとも言える。


ここまでつらつらと書きつつ、
悪く言いたい訳ではないというか。
本当に「湯を沸かす」がなぜかハマって期待して観に行ったっていう不運、

5分1セットのうすら滑り辛気臭いシーンを24回見せられたような気分で、積み重なっていく感覚もなく、遊園地でやっと終わったと思ったら、
最後の方「いや長ーーー!!?まだやんのこのパターン!!?」
みたいな気持ち。
遊園地のメリーゴーランドと傘さしてるとこのスロー…ヤバイなぁあれも。


湯を沸かす のサイコ的な怖いシーンをメインでやってるような感じ。
外国の部分とかずっと「湯を沸かす」のバックパッカーのシーン。チープ。

山崎努と蒼井優以外の演技演出全部ヤバすぎ案件については監督の意図を聞きたい。

ここ数年でぶっちぎり怒りスコア5.0の映画でした。
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