りっく

十二人の死にたい子どもたちのりっくのレビュー・感想・評価

2.5
一言でいうとそれぞれ事情を背負った自殺志願者が集ったグループセラピーにミステリー要素を足しただけの映画。思わせぶりな謎解きとそれぞれの登場人物の過去が台詞で説明されていく。ただし12人それぞれにきちんと見せ場があり、そういった意味では若手俳優の品評会的な見どころはある。

だが、最終的にヒューマニズムを肯定する着地に至るまで、遠回りをしているだけに見え、やはり話運びが巧くない。死んだと思っていたはずの十三人目が実は寝ていただけであり、死にたい自分たちに巻き込んでしまってもいいのだろうかという展開で大きな転換を迎えるが、それであれば謎解き話は本筋とあまり関係がなく、そんなことで心変わりして爽やかな表情で退出する彼らを見ていると、勝手に二次会でも皆で行けばいいじゃんという気持ちになってくる。
りっく

りっく