にしやん

安市城 グレート・バトルのにしやんのレビュー・感想・評価

安市城 グレート・バトル(2017年製作の映画)
4.0
西暦645年に唐の20万人の大軍に立ち向かった、高句麗の小さな城の偉大な姿を描いた戦争アクションの歴史大作や。

この映画全くノーマーク。殆ど話題にもなってへんさかい、「あー、韓国の時代劇か」くらいで大して期待もせんと観たんやけど、いやー、この映画めちゃめちゃ凄かった。だいたいからして、唐軍兵20万に対して安市城守備兵5千っちゅう兵力の差歴然の戦いの設定自体、わし、からっきし弱いねん。幕府軍10万対長州軍2千とか。こういうん好きでたまらんわ。 

戦争アクションもんとしての出来は相当ええで。何がええって、とにかく戦闘アクションシーンが素晴らしい。凝りに
凝ってる。よう撮ったもんや。20万の大軍を見せるんに一部CGも使てたけど、殆どが実写やった(と思う)。実写に拘
った制作陣は、それだけでもええ根性してるわ。

戦闘アクションシーンの尺がそのものがえらい長い。映画全体の尺は2時間以上あんねんけど、殆どが戦闘シーンやったんで、映画の尺の長さも全く気にならへんかったし、時間をすっかり忘れてしもた。これだけ長い戦闘アクションシーンを撮ること自体凄いし、ハリウッドでもこんなんあんまり無いんとちゃうかな。

それと、この手のアクション映画を観ていっつも思うねんけど、ダメなアクションもんでようあんのは、ヒットしてるところをちゃんと見せてへんやつ。打撃がちゃんとあたってるの見せるんがアクションの基本やと思うねんけど、この映画はさすがにちゃんと出来てるわ。それも当たるとこを嫌味なくらいにスローモーションにしとる。それも殆ど。監督とかほんま憎たらしいくらい分かってるわ。最近観た「ダイナー」の某監督なんかは、ほんまにちょっとはこれ観て勉強してほしいわ。

主役を演じるチョ・インソンは「ザ・キング」に続き絶好調やな。その「ザ・キング」でも共演のペ・ソンウも中々ええ参謀ぶりやったわ。それに、最近韓国映画には欠かすことのでけへんソン・ドイルもええ脇役ぶりやったわ。  あと犬猿の仲やった武将二人の描き方も良かったんとちゅうかな。ともに戦うことを通して心が通じあうとこはちょっと泣ける
な。

ストーリー自体はいたって普通。これというひねりは無かったかな。こんだけ戦闘シーンばっかりやと、ストーリーにひねる必要もないか。あとは、男性キャラクターに比べて、女性のキャラクターの描き方はもひとつやったかもしれんな。

まあ、1300年以上前の話やさかい実際の史実はどうやったかはよう分からんのやろけど、ようこんな壮大なスケールの話を考えたもんや。撮影技術の素晴らしさも含め、韓国映画恐るべしや。

なんか最近観た日本の「キングダム」がちょっと可哀想になってきたわ。日本映画かてもうちょっと頑張らな。
にしやん

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