しゅんすけ

カイジ 動物世界/動物世界のしゅんすけのレビュー・感想・評価

3.5
「カイジ 動物世界」

 中国による「賭博黙示録 カイジ」のリメイク版。

 幼い頃に父を失い、昏睡状態の母を持つ主人公カイジ。今は、しがないバイト生活で、幼なじみの看護師に金を無心し、治療費も払えない情けない男なのですが、親戚の持ちかけた不動産投資話に乗っかり、多額の借金を背負うハメに。そこで、人生逆転をかけてマイケル・ダグラス扮する大富豪が主催する「人生逆転ゲーム」に参加するという話。

 福本伸行先生の原作版や、藤原竜也の映画版では、いろんなゲームや地下世界の描写がありましたが、本作は原作のゲームの1つ「限定ジャンケン」に絞って話が進むので、かなり見やすい印象。また、藤原竜也や香川照之みたいなオーバーアクトな演技はないので、その点は日本版より好みでした。あと、割とすぐにデスティニー号(原作ていうエスポワール号)に乗船して、上映開始30分ぐらいでゲームが始まるので、そこも良かったです。

 ただ、クライマックスに向かうにつれ、勝敗のロジックがどんどん雑になり、最後はもう頭脳戦じゃなくなってるのは残念なところ。勧善懲悪な展開になり、悪役には落とし前がつくのですが、はっきり続編ありますという終わりかたでしたし、胸がスカッとする映画ではなかったです。

 あと、主人公がトラウマを抱えていて、ピエロが怪物を倒す幻覚を見てしまうという設定なんですが、そこもイマイチうまく話に絡んでなくて、その割に幻覚映像のアクションがすごい凝ってるのも謎でした。あまり期待せずに軽い気持ちで見ればいいかなと思います。