それならそうと言ってくれよ～
って話…
普通、映画の登場人物というのは大抵「人間」なのでどんなジャンルの映画でもそこに「人間ドラマ」ってやつが生じる訳です…
「雄山！アイツは美食を追求するあまり…おれと母親を捨てたんだ！」
料理漫画の傑作「美味しんぼ」…日本二大新聞が紙面を使っての料理対決はただの親子ゲンカだった！
それを言ったら「スター・ウォーズ」だって銀河を巻き込む親子ゲンカだし、アベンジャーズだって「家族と仲間」の物語だ！
まあ、映画ではよくある話なんだけど…
話は変わりますが…
「とにかく最近のブラピにハズレ無し！」
先日のタランティーノの新作「…ハリウッド」も素晴らしかったし、彼が自分が出てなくても制作でかんでる「PLAN Ｂ」の作品群の素晴らしさ…「ムーンライト」とかね…
本当に…特に年齢を重ねた最近のブラピの素晴らしさ…天はいったいこの男にいくつ「ブツ」を与えれば気が済むんだ？
「アド・アストラ」
数ヵ月前…予告編を観て…期待するな…というほうが無理…
待ちに待った初日…
レイトショーで観て参りました…
地球の成層圏から始まり月…火星辺りまでメチャ面白いです！
グラビディッたりオデッセったりファーストマンだったり…そのゴリゴリのＳＦ感に酔いしれました…
ところが後半…木星過ぎた辺りから…つまり地球から遠くへ離れれば離れるほどブラピは心の内面へと向かい始めるのです…
普遍的なテーマに踏み込み高尚な方向へ行くほど映画はつまらなくなりおれは寝おちするかと思いました…
「インターステラー」やなんなら「エイリアン」を想像していたおれが悪いのですが…
だってリマ計画って地球外知的生命体の探査だったって言うから…
まさか「美味しんぼ」方向に行くとは思ってなかった…
だったらあんな予告編作るなよ！
ネタバレしろとは言わないがまるで映画の本質をミスリードさせるような手口は勘弁してくれ…
それならそうと最初から言ってくれよ…
でもおれは前半だけで元がとれるくらい楽しみました…どんなことがあっても心拍数が80を越えないというブラピにドキドキしてやってください！
ちょいディスり気味になってしまったのでこの映画でおれが一番気に入ったところを最後に…
それは「通路」
地球の基地から宇宙船の中…様々な「通路」が不思議な印象を残します…
ブラピがどんな精神状態でこれらの「通路」を通って行くのか？
「通路」は彼の人生を表しているのかもしれません…
SOSを発信していた宇宙船の船内通路…ブラピはそこで何を見るのか？キーッ怖いです…
火星基地の通路…
地球の紛争が宇宙にまで影響を及ぼしている時代…その恐ろしいまでに「打ち捨てられた感」が漂う通路…
この通路をブラピはある人物と歩きます…
すごいです！
宇宙船に向かう通路を歩いていくブラピの後ろ姿…
ふっとこちらを振り向きます…
この映画の白眉だと思いました…
でもさ…やっぱりそういう映画なら…
少しは先に教えといてくれよ…と今回ばかりは思いました…
