とし

メランコリックのとしのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
4.6
さあ
ありふれた人生と
裏社会のボーダーラインを体感せよ。

東大卒の元ニート和彦がバイトを始めた銭湯は、なんと夜の顔を持っていた。風呂場での殺しだ。なるほど、血がバぁーー流れても掃除しやすいもんね!...って、コントみたいなノリなんだけど、大真面目に面白い。風呂屋の副業で殺し屋とか設定だけでゾクゾクなのに、キャラが全員もれなく絶妙だった。ひとりひとり、映った回数だけ好きになる不思議。金髪マツモトくんの、硬派な仕事ぶりとのギャップ。ちょっと手を伸ばせば付き合えそう感すごいのに、気立ての良さが尋常じゃない昔の同級生、ゆり。明るいちょいエロ担当のフィリピーナ、アンジェラ。拍子抜けするほど和彦ファミリーのすっとぼけ空気が終盤バツグンに効いてくるまでには、思わずニヤけてしまう甘酸っぱさと、張り詰めたサスペンス、キレあるアクションが展開され、こりゃー誰かにお勧めすんな、て方がムリ!ラストは、個人的に"幸せについての共感度100%な価値観"がメッセージに込められていて...アレ、なんで俺こんな映画でホロリとしそうになっとんねん!て、もはや私もメランコリックワールドの住人です。血も汗も涙も全部流してくれる。やっぱり風呂っていいなぁ。ヒトたくさん死んでるけどね!
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