とし

すばらしき世界のとしのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.3
どれも水だけど、カタチを変えた。しんしんと雪がふり、きらきらと海が輝き、そしてばあばあと雨に打たれた。それだけじゃない、美しさは、澄んだ空も、雲の晴れ間も、いちばん星だってすばらしかった。コロコロと変わる自然の表情は、まるで三上の顔と生き様を見てるよう。元裏社会ムショ帰りの三上を見ているだけでヒヤヒヤする。それなのに、子供の愛くるしい成長を見守るような眼差しを向けてしまった。更生しようと何度も前を向いては、蔑まれ、ブチ切れ、カップ麺をブチまけた。正義であれ暴力は不幸しか生まないし、人は簡単には変われない。でも、もがく姿を見る好奇の目は、追い詰め、彼の息すらも止めてしまう。空の下は、自由だけど、自由じゃない。不幸は確実に起きている。すばらしき世界はどこにある。この作品の、希望と、胸を刺すような痛みは圧巻だった。男なら決して逃げてはいけない瞬間に逃げた男。逃げてもいい、また再起することが大切よ、と言われた男。この2人の男の裸の背中に涙が止まらず、もはや主演男優賞ダブル受賞。マジで太賀のかっちょ良さどこまでいくんすか?過去を無かったことにはせず、過去を受け入れて、今の君と向き合う。そこには何が必要なんだろう。三上はきっと歌や花が好きなんじゃないかしら。あと片手にビールでホルモン焼く長澤まさみたんは何故あんなにエロいのかしら。
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