みかぽん

カーマイン・ストリート・ギターのみかぽんのレビュー・感想・評価

4.0
廃材が出ると聞けば貰いに行って、これを元に毎日ギターを黙々と作って、完成すればそれを目当てにお客さんがやって来て…。

この店を訪れるギタリスト達は皆、ギターを持ち構えた瞬間に「⁈」と眼の色が変わる。そして弾き始めると直ぐに「おぉ…」。「いいね」。「こりゃ凄いな」などと呟き、その作り手のリックさんをまんじりと見つめる。そしてニヤリと微笑み合う2人には言葉なんて要らなく、傍観者の私までもが画面に向かってニンマリだ。

夢中になって試し弾きを始める彼らは皆、外れなくおじさんなんだけど、その夢中っぷりは誰もがまんまギター少年で、その姿に寄り添って聴き入るリックさんの表情がまた良いんだわ。

「指が鈍ってるな…。苦情が来るから家では弾けないんだよ」と苦笑いされればリックさん、「毎日ここに来て弾けばいいじゃないか」と優しくそう返す。

ニューヨークの歴史が消えて行く過程の中で、その一部(廃材)が大事に引き取られてギターに変わり、これを愛するギタリストが手にすれば、その音色が世界に伝播されて数多の人々の心へ響く。
又あるギタリストが「楽曲は光だけど、光の陰にはそれを奏でるためのギターを作ってくれる人がいるし、そのための場所を提供してくれる人がいる。彼らがいなければ光は絶対に輝かないんだ」と語ると、満足そうに微笑んで頷くリックさん。

なんかもう私、痺れたし…。

そう、あと「おぉ⁇ 渋くてかちょええギタリストが登場したわ」なんてドキドキしてたら、彼はななんとチャーリー・セクストンだったーーっ😵😵😵
17歳でデビューして、日本では〝チャリ坊〟なんて呼ばれた女子のアイドルだったけど、ギターが抜群に上手かったんだよね😃
「仲の良い不動産屋の友人がこう言うんだ。〝お前は良い奴だ。子供達も一生懸命に育てたしな。でも残念なのは、ギター弾きだってことだ〟だって!」と語るチャーリーに、リッキーさんもすかさず「確かにそうだな」とばかりに共に笑う。そして「俺だって大した金にもならんのにギター作りが大好きだよ。だから休みの日にまで作ってしまうんだ」と困ったような顔で返し、再び微笑み合う。
二人の会話に再び痺れてしまい😭😭

気づけば、淡々とした日常を綴るこのドキュメンタリーに私、心が癒されまくっていました…😭😭😭
みかぽん

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