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レイスのsayaのレビュー・感想・評価

レイス(2017年製作の映画)
2.0
歴史ある古い屋敷で暮らしてきた家族が、母親の予期せぬ妊娠をきっかけにして心霊現象に見舞われるようになり、屋敷の歴史を調べて原因を探ろうとする話です。
実話に基づいているせいか物語は非常に地味なのに、家族の演技や説明台詞が嘘くさいので作り話にしか思えない作品でした。
驚かせるような恐怖シーンはほとんど無いですし、心霊現象の映像もチープなのでホラーのつもりで鑑賞すると肩透かしを食らいます。
シーンのつなぎ方や話の展開も不自然で、映画というよりは『奇跡体験!アンビリバボー』の再現ドラマを観ている気分でした。
物書きを生業とする母親が覚束ない手つきでPCのキーボードを片手打ちする描写もリアリティがないです。
身の回りで少し不思議なことが起きて危害を加えられたわけでもないのに、急に図書館通いして屋敷の歴史を熱心に調べるのも違和感ありました。
あえて実話っぽい要素を挙げるとすれば、登場人物たちの設定があまりにひどくて全然魅力的に描こうとしていないところです。
経済的に余裕がないのに、14歳の娘をほったらかして夫婦でパーティーに出かけて酔った勢いで子供を作るなんて相当に頭が悪いですよ。
普通の心霊ホラーであれば最終的に家族が一丸となって悪霊と立ち向かい、絆を深める展開になるのですが、この映画は家族が悪霊に取り憑かれることもなく傍観者のまま話を終わらせてしまいます。
途中から突然登場してきて何の葛藤やドラマも描かれていない司祭が、ひとりだけで悪霊と対決して問題を解決してしまうからです。
しかも悪霊の姿が最後まで映らないせいで司祭が勝手に転がっているようにしか見えないのも残念でした。
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