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運び屋のBigBossのネタバレレビュー・内容・結末

運び屋(2018年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

なんでこんな評価が高いのか全く理解できない作品だった。
園芸家として最高の花を育て社会的な評価を得る事に腐心し、家族を蔑ろにしてきた主人公のアールストーン。
時代の流れと共にビジネスは失敗し、家屋も差し押さえられ、これまでの行いから家族からも軽蔑されるという人生の最終コーナーを回った男。
そんな男のもとにある男が、ブツを運ぶだけで大金を稼げるという話を持ちかけてきたところから話しは始まる。

、、、のだけど、まぁ家族の大切さ、流れ行く時の大切さに気付く系のお話しはいいとして、そこに行き着くまでの過程が雑だし、主人公のアールストーンが相変わらずクズ野郎であまりにも話の作りが御都合主義過ぎないか?

麻薬の運び屋やってる事に気付いてからも、大金が手に入ることから運び屋を止められないどころか、女は買うは麻薬カルテルのボスに気に入られてパーティーに招待された先であてがわれた女と3Pはするは、退役軍人の集まりでも外面気にして大盤振る舞い、麻薬の運び屋で稼いだ金で孫娘の結婚パーティーの酒を振る舞うわ、極潰しも良いところじゃないですか。

それで最期、麻薬の運び屋の仕事を途中で放棄して、妻の最期を看取った事で家族と和解って、、、

裁判で有罪になるのなんて当たり前だし、普通自分の父親や祖父が麻薬の運び屋やってた事、それで稼いだ金で孫娘の結婚パーティーの酒を振る舞ったとか知ったら「お前、、、行き着くところまで行ったクソ野郎じゃねぇか💢」って怒りに打ち震えて絶縁すると思うんだけどねぇ。

まぁある意味アメリカンドリームな映画かもね。

追記
この映画と対極にあるのがミッキーローク主演の「the wrestler」だろう。
好き勝手夢に興じて生きてきた男が病をきっかけに普通の社会生活と蔑ろにしてきた家族の絆を取り戻そうとしたが、結局は社会の厳しさに打ちのめされ、自堕落な生活習慣から再び家族を裏切り、最期、自分が自生の大半を過ごしてきたリングの中にしか居場所を見つけられなかった不器用な男の物語。
その不器用さや自堕落さ故に最期選んだ孤独な選択に寂しさやある種のケジメというものを感じてシンパシーを覚える。

しかしこの「運び屋」という映画には夢に興じて好き勝手に生きた男の都合の良い妄想や言い訳しか感じなかった。

無頼を気取って夢に興じてきたなら都合の良い時だけ家族に心の安住の地を求めるなよ。
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