Kota

運び屋のKotaのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.6
“一緒にいてくれる事に、お金はいらない。”

89歳。クリント・イーストウッドのその積み重ねてきた歳月が染み渡る作品。ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーンなど彼の過去作を共にした人がまるでクリントを優しく尊敬し囲むように役を演じる。アンディ・ガルシアはクリントの望みならどの役でもこなすと言ったそう。娘役のアリソン・イーストウッドはその名の通り実娘。

孤独のうちにどんどん麻薬カルテルにハマっていく愚かな老人を描いているのにもかかわらず、ドラッグを運ぶシーンのその爽やかさはロードトリップ映画のそれと変わらず、終わり方も含めて優しい。彼の映画はわりかし重めなテーマが多いのだが、これは“時間はお金で買えない”という当たり前のような言葉をもう一度丁寧に伝えてくれる。
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