開明獣

一粒の麦の開明獣のレビュー・感想・評価

一粒の麦(2016年製作の映画)
4.0
まずは、この作品を紹介してくれた、フィルマーズのnanaさんに感謝。

一粒の麦、もし死なば。

聖書の中の有名な文句の一つであり、フランスの文豪、アンドレ・ジッドの小説の題名でもある。僅か一粒の麦からでも、未来には多くの収穫をもたらすことがあるであろう、との希望がこめられている。そして、パンはその麦から作られるのであった。

バンドネオンのサウンドが粋で、横浜にはよく似合う。恒例のジャズフェスティバルも今年は中止だろうけれど、必ずやまた再開してくれることだろう。

ジェイ・マキナニー原作の「ブライト・ライツ・ビッグ・シティ」で、主人公役のマイケル・J・フォックスが、摩天楼の早朝にパンを食べるシーンがあって、とても好きだ。かぐわしいパンの香りは、明日への活力の糧となり、疲れたものの心を癒してくれる。

リヨンでパンを焼いていたフランス娘役をシャーロット・ケイト・フォックスが好演。柄本明と堂々と渡り合っている。上質な短編の趣き。皆さん、厳しい評価が多いけれど、焼きたてのパンを食べて、心の疲れを癒してみては?

この騒動が終わったら、静かなフランスの田舎町を訪れてパン屋に行ってみるのもいいかな。

Un croissant, s’il vous plaît?
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