開明獣

ゴジラ-1.0の開明獣のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0
映画と小説は、娯楽性と芸術性を兼ね備えている点では相似している。が、両方を兼ね備えているものは稀有である。一概には言えないが、有り体の言えば、娯楽作品は、その時代に観たものに愉悦と興奮をもたらすものであり、芸術作品は時代を超えた普遍性を持つ。よく誤解されるが、どちらがいいとか、偉いとかいうことはまるでない。双方の特質が違うだけである。時代と共に消えていくものに価値がない訳ではない😌

本作は、娯楽大作として一級品だと思う。白眉は戦後間もないアナログの時代、米軍の支援もないという設定で、いかに超絶特異生物ゴジラを倒すかの戦術にある。こんな方法をよくぞ思いついたものだと感心してしまった。それを現在トップクラスのVFXを駆使しての迫力ある画像が盛り立てている🥳

作品によってクオリティの上下動が富士Qのアトラクションより激しい本作の監督の山﨑貴。いい時は、今年の阪神タイガース🐯のようだが、悪い時は新庄が監督の日ハムよりは少しまし程度と不安定極まりない😔

山﨑貴はVFXの人である。過去作観ればよく分かるが、物語作家としては秀でてないし、演技指導も単調で紋切り型の芝居しかさせないのが難点だが、そんな短所を吹き飛ばして爽快なゴジラ映画に仕上げてくれた🦖

映像技術は日進月歩。10年、20年後には、これもその他多くのゴジラ作品同様、本作もワン・オブ・ゼムと化していくだろうが、それがどうした?今一瞬に輝けることが、怪獣映画のような娯楽作品には最高の栄誉なのである🎉

欲を言えば、余計なヒューマンドラマの部分を削って尺を短くシャープに刈り込んでくれるともっと良かったかもしれない🤔

予定調和的な終わり方も良きであった。シェークスピアの喜劇のように、終わりよければ全てよし、なのである😌
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