げんげん

映画ドラえもん のび太の月面探査記のげんげんのレビュー・感想・評価

4.0
ドラえもん39作目。直木賞作家でドラえもんファンの辻村深月が脚本を書いたオリジナル作品。藤子不二雄の全盛期のクオリティには届かないが良くできてると思う。興行収入も50億を超え歴代2位。

映画ドラえもんはルールではないものの『日常社会は被害を受けない』という暗黙の了解があり、舞台を「非日常」にする必要があった。そのためこれまでも恐竜時代のような過去から海底・宇宙などの異世界、そして西遊記・アラビアンナイトといったパラレルワールドまで、あらゆる非日常世界を舞台にしてきた。今作の舞台は月。月は日常でも行ける時代であり、ここからどう非日常の舞台を作り出すかを辻村さんも相当悩んだらしいが、原作にあった「異説クラブメンバーズバッチ」という秘密道具のストーリーを発展させて上手く月を舞台にできてるのがドラえもんファンの直木賞作家らしい作り方である。

また映画でいきなり初登場する道具ではなく、ほんやくこんにゃくやひらりマント、空気砲、テキオー灯など、親の世代も知ってるぐらいなじみのある道具で展開させるのも良いと思う。

しかし久しぶりにドラえもん見たが、今でもドラえもんは映画になると慌てん坊の役立たずになってしまうのね。いつも思うのだがタイムマシンとタイム風呂敷があれば大抵のことは解決するんだけどな。

2024年23本目
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