あっさりゆで卵

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

3.8
音を立てたら即死な続編第2作。
正直期待していませんでしたが、これが意外にも、テーマ的必然性のある、続編として大正解な作りになっていました。

前作が、クリーチャーの跋扈する荒廃した世界で、生きる目的や希望を伝える大人から子供へのラブレターの様な物語であったのに対して、本作では、子から親へのラブレター。子供たちが親から受け継いだものを持って、この困難な世界に立ち向かう成長の物語でありました。

前作同様、静寂を極限まで溜めて、一気にドーンと放つ恐怖演出は健在です。安易な恐怖表現とも取れる音で驚かせる手法ですが、本シリーズにおいてはそれが活きるテーマ且つ効果的に作用していることもあって、ハラハラドキドキの展開が多いこと。結構、ビックリしたところ多い(笑)

作品全体のテンポが非常に良いのもまた魅力的。
特に1日目の様子を描く冒頭一連のシーンには、初っ端から心鷲掴みにされました。当たり前に生活できていた日々が崩壊していく様。ディザスタームービー、モンスターパニックムービーの定石をしっかりと押さえたその魅せ方が最高です。また、中盤のある展開の細やかな伏線が張られているのもまた良いのですよ。

この世界で、ある種、順応できた子供と順応できなかった大人のロード―ムービー的な側面もあり、しっかりその成長も描かれます。
ラストも非常に良いタイミングで終わり、
子供たちが紡いだ希望の鐘は鳴った!さあお前はどうする!と言われているような気にさえなりました。

確かにツッコミどころは結構あるけれど、それをそこまでノイズに感じることなくハラハラドキドキできたので良かったです。
相変わらず、映画館で見るのが楽しい作品でした!!