シネラー

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
前作を鑑賞して本作も観たいと思いつつ、
長らく手つかずだったがようやく初鑑賞。
前作のアップグレードという印象で、
相変わらずの緊張感と世界観の広がりが
感じられる良い続編だった。

前作直後から物語が展開し、
住みかを失った一家が新天地へと
旅する中で生存者と遭遇していく
内容となっており、
前作は父親と母親の奮闘劇が
目立っていたが、
本作ではその娘と息子という子ども達の
奮闘と成長が中心となっていて良かった。
中盤以降は家族が別れて
それぞれがクリーチャーや
人間同士の争いで窮地に立たせられるが、
互いにその場を切り抜けていく
映像の切り替えは印象深く、
結末に至っては家族同士が離れながらも
一方の行動が間接的に打開策となり、
子ども達が物語を締め括るのが爽快だった。
又、前作よりも登場人物達の場所の
動きがある為、場面の絵面としても
荒廃した街や工場の描写も増え、
その中で登場人物の自然な陰影からくる
絵面が美しかった。

気になった点としては、
結局のところ家族が分断された状態で
物語が終わっているだけに、
話の納まり具合は前作よりも微妙に思った。
又、本作でクリーチャーの
新たな弱点が発覚するのだが、
それだと島国とかは普通に
生活できてないかと世界情勢的には
疑問が浮かんでしまう弱点だった。
加えて、娘が単独行動をした際に
命を落としかけてもいるのだが、
結果として助かったから良いものの
前作からその危険性は学んでないのかと
思うところでもあった。

前作同様に音を立てないという
緊張感と家族愛を描きつつも、
家族以外と人々や世界も描いている
続編で良かった。
次回作はしっかり静寂な環境で観れる
映画館に行こうと思った。
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