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ハッピー・デス・デイ 2Uのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
3.7
前作が「スクリーム」を思わせるミステリー・ホラー+ラブコメでホラーファンの想像の斜め上を行く展開で、いい意味で観る側の期待を裏切って楽しませてくれたやつの続編。

主人公が同じなんで、彼女の心の葛藤や成長を主軸に据えてるのは同じ。
しかし、こっちはもう完全にハードSFコメディだし、前作も薄かったゴア・スプラッターだけどこっちはさらに極薄に笑

でも、それがマイナスになってないとこは前作同様で、ホラー的視線で観る映画じゃないから。
今回は前作で明かされなかったタイムリープの謎が早々に明かされる、なのでタイムリープで転がすおもしろい演出が使ないのかと不安に。
どう展開させるのかと思いきや、今度は多次元に飛ばされる笑

ツリーは別次元に迷い込む。その次元では最愛の母が生きてる、しかし恋人のカーターは友達の彼氏に。
最愛の母と生きるためこの次元に留まるか?恋人カーターを選んで元の次元に戻るべきか?

そして、さっき使えないかもと言ってたタイムリープ。今回もある事情で結局、タイムリープに次ぐタイムリープ地獄に飛び込むことになる笑
だから前作のおもしろタイムリープギャグは今回もしっかり出てくる笑

なので前作と大きく違うようで何だか似てると思った。
ただ、今作の方がテーマがやや重い。
前作は単なるツリーが自分の傲慢さを省みて成長するだけの他愛ないものだったけど、今作は記憶とは何か?自分とは何か?みたいな深く哲学的なテーマ。

飛ばされた次元で生きてる母親と暮らすのはとっても幸せだし、何より喪失の痛みがなくなる。
しかし、以前の記憶は当然ないわけで、母親との会話に齟齬が生まれる。この次元の母親と積み上げてきた時間や思い出がないから。
異次元の自分を生きることは本当に自分の人生を生きてると言えるのか?

タイムリープに別次元移動が繰り返される前作以上に目まぐるしい展開に深淵なテーマを絡ませて、尚且つコメディとしてもおもしろ続編だった笑

しかし、ここまでハードSFだと設定を理解するのは低偏差値の自分には難しかった。
実際、説明されてもは半分ぐらいしか理解してないと思うし😂
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