にしやん

ちいさな独裁者のにしやんのレビュー・感想・評価

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)
3.8
ナチスドイツ降伏直前、たまたま将校の制服を拾たドイツの脱走兵が、ミニ独裁者にまで成り上がる話しや。主人公がコンプレックスとハッタリをバネに、自己への誇大妄想をドンドン拡大し、トンデモない虐殺まで平気でやってのけるまでの過程を描くことで、全体主義の本質を炙り出したろうっちゅう快作や。
「ちいさい独裁者」とは主人公であり、それを取り巻く大勢であり、またヒトラーそのものでもあるんやろな。それにな、現代の我々にもそれは通じてるんやろ。作者は映画のエンドでそれを突きつけとったわ。このエンドについては賛否はあるんやろけど、わしは何かゾッとして、背筋が寒なってしもたわ。
反ナチ映画としては、今までにあれへん新しい切り口の異色作で、なかなか良かったんちゃうかな。どやろ?
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