映画の日5本はしご4本目。
バハールの涙に続いて重めの内容。
第2次世界大戦末期、ドイツ軍の若き脱走兵ヘロルトが上官の制服を拾ったことから、大尉になりすまして暴虐の限りを尽くすウソのようなホントの話。
普通であればすぐにバレそうなウソでも、ドイツの敗戦が濃厚になってきた頃でドイツ軍の規律が乱れて混乱していたという時の運。
そしてあまりにも堂々としていたので皆騙されてしまうくらいのハッタリ。
映画だけ見るとご都合主義みたいに感じてしまうけど、実話だから恐ろしい。
同じドイツ映画の「es」と同じく、人間は権力を手に入れると、周りの環境次第ではどこまでも残虐になれるという見本。
また、人間は自分の見たいものを見て信じたいものを信じる傾向にあり、少しくらいおかしなことがあっても目をつぶるということが良く分かる。
もちろんどんな状況下でも理性や品位を保てる人もいるけど、ドイツでも日本でも戦時下ではどんどんおかしくなっていったんだろうな。
主役の人が若手だけど、最初は少しおどおどしながら大尉を演じてたのが、どんどん権力に酔いしれていく様を上手く演じてた。
後半駆け足気味になってしまったのが残念。
こういうの観ると、モンスターや幽霊よりも人間が1番怖いって思う。