ちの

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のちののネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

イナゴの陰謀とクローン少女の誘拐の二本筋が全く上手く噛み合っていない。
そもそもサトラー博士がなぜグラント博士を相棒に選んだのかも、イナゴの陰謀施設にマルコム博士がいたのかも、全然理由に説得力がない。

あとクローン少女とラプトルの子が誘拐されてましたが、ジュラシックパークⅢであんなに執念深く卵泥棒である主人公一味を追い回したラプトルがあっさり誘拐犯でもなんでもないオーウェンの所にいるのか意味が分からない。ジュラシックパークシリーズのラプトルなら追い回して誘拐犯達を皆殺しにするくらいして欲しい。

何度も恐竜と対峙する時に手をかざしてましたが、あれって手から何か出てるんですか?調教されたラプトルに対してやっているのは分かるんですが、脱走したパラサウロロフスにもやってましたよね?あれって調教された恐竜なんですか?あんなもんで恐竜がなつくなら、冒頭で恐竜による事件事故ももっと減らせるんじゃないですか?何度も何度も執拗に出てきて、あげくグラント博士までやっていて失笑以外のなにものでもなかったです。

クローン少女の母親である科学者ですが、自分のクローンを胎内に宿して出産していましたが、どう考えても100%狂気のマッドサイエンティストですよ?そもそも人間のクローンを作るという禁忌を犯しているのに、それが自分のクローンを処女受胎のように性交渉なく妊娠出産するという、おぞましい行為をしているのに「彼女は優秀でまともな科学者だった」というのは気が狂っていると思います。

イナゴに関しても、燃えながらあんな動き回って飛び回るとか、もはや生きものですらないですよね。ご都合主義の極みというか、もう笑ってしまいました。

旧作の博士三人を出してきたのも明らかにファンサービスとしてで、制作側から「いいでしょ?こういうの好きでしょ?」ってニヤついた顔が透けて見えて、オーウェン達と三人が揃ったシーンでジュラシックパークのテーマ曲を流すのも陳腐でお寒い。あんなシーンで流すとかセンスが死んでいる。

あと決定的だったのが、ラストで人類は共に歩めるとか言っていましたがそれって人類だけですよね?
他の動植物よは間違いなく絶滅に追いやられる種はいますよね?
本当にどうしようもないエゴ丸出しな答えを出してましたが、制作側にその認識はあったんでしょうか?恐竜と馬、恐竜と象が一緒にいたけど、馬鹿なんじゃないのか。人間以外の動物って、厳しい自然の中生存競争してるわけですよね。それがチートレベルの競争相手が現れたら狩場を失ったり、餌を食い尽くされたり、その場にあった食物連鎖は確実に崩壊してしまいますよね?
しかも、人間にも被害が出て死者も出てるって言ってましたが、映画のラストではその事を忘れてしまったんでしょうか?
この後は主人公たちやウー博士が心を改めただけであって、世界が一丸となって共存をしようと決めたわけでもなければ、それまで共存を目指してなかった訳じゃないですよね?
沢山奇妙なところがある映画でしたが、一番引きました。人間が共存していけば、他の動植物、そして自然環境がどうなるかは考えてないんでしょうね。最初から最後まで人間の事しか考えていない映画で、ジュラシックパーク一作目の「自然を管理できると思い上がった人間に自然の象徴である恐竜が逆襲してきて、人間は為す術なく命からがら逃げるしかない」という話だったが欠片も残っていないシリーズ完結作になっていて、心底腹が立ちました。
ちの

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