ちの

ノマドランドのちののネタバレレビュー・内容・結末

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

雄大なアメリカの自然と悲しげな音楽が素晴らしく綺麗な映画でしたが、私には出てくるノマドの人達に薄らと死が透けて見えて少し怖かったです。
短期労働をしては旅をするノマドの生活を経済的な困窮から選ばざるを得なかった人達が多かったのでしょうが、主人公のファーンは頼れる身内も、頼って欲しいと言ってくる友人もいるのにも関わらずノマドの生活を続けているので、社会的な問題が映画の根底にあるはずなのにファーン自身のとても個人的な話で終わったのはリアルなノマドの人達に演じてもらっているのに少しどうなのかなと思えてしまいました。
優しい言葉で説明しているのに、感じた自分がそれを言葉にするのが凄く難しい、なんとなく詩的な映画のように見ていました。自分の人生に自分が全部の責任を取る自立と、好きな時に人間関係を断ち切れる自由さ、そして孤独と寒さと死ぬ事が常に身近にある覚悟、そう言ったものをスクリーンに映るフランシス・マクドーマンドに感じました。
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