人には居場所が必要だ。
別の言い方をすると“シマ”が必要だ。
土地。家。誇り。愛。ジェッツ。シャークス。
ジェッツやシャークスの不良どもは
“シマ”が全てだと思っている。
追われ、奪われてきた彼らは、その小さな手の中にあるものだけは守ろうとする。
一方でトニーとマリアは、
ここじゃない“居場所”を探していた。
そんな二人の必然の恋。
ダンス会場で二人が出会うシーン好きだな。
自分の居場所はここだ！て感じで。
シマを奪わないで。
居場所を奪わないで。
すごく簡単なようで、60年経ってもまだ現代のテーマとしてそびえ立つ問題。
『シンドラーのリスト』で、シマを守るためには金や能力…つまり“価値”がなければ生き残れない現実の非情さを描いたスピルバーグ。
その人が、いつの日か価値なんて関係なく、誰かに居場所を迫害されたりしない世界を“願う”物語を描いたという事実が、より切迫した現実を突きつける。
もう稀代の名監督スピルバーグでも祈り、願うしかないのかな。
「いつの日か」は来るのだろうか。
皆んなが願えば明日にでも来る。
だからもうナイフや銃は捨てましょうよ、クレイジーボーイ。
そんなスピルバーグの意見に大賛成です。
人種がどうのこうの性別がどうのこうの。とか。
わかったからとりあえずお互いにナイフや銃は捨てましょうよ。
もう疲れた。
クールにいこうよ。
歌って踊ろうよ。
きっとトニーとマリアのように居場所が見つかるはずだから。
そしてトニーとマリアのようにならないためにナイフや銃は捨てましょうよ。
お願いだから。
