さすらいの雑魚

ウエスト・サイド・ストーリーのさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

4.0
こんなお話だったのか!
と驚いた映画的教養がペラッペラの映画好きな私です。
舞台版、オリジン版ともに未鑑賞で臨んだスピルバーグ版のウエストサイドストーリー。
衝撃のラストに呆気に取られた私です。明るく楽しいアメリカンミュージカルと思ってたらうっちゃりをくらいますよ。
悲恋物とは聞いてるけど、ラストだって悲恋なんだろうけど、希望とかほのめかす感じだろ?だって元々陽気なヤンキーアメリカン全盛期60年代の作品なんだよ、ミュージカルなんだよってノリで見てたら、、、 あぁ元ネタはロミオとジュリエットだったよね とシェークスピア風味全開で壮麗に荘厳に大暗転😱な個人的映画体験なのでした。

華麗なカメラワークに大胆不敵なモンタージュを駆使し、素晴らしい再構築を成し遂げていると思うのです。Master of Movie Makerたるスピルバーグが今あえて自ら演出して再び世に送り出した誰もが知る傑作なのだから映画的完成度はオリジン版を超えてるはず、と思うの。
舞台もオリジンも観ていないので、あくまで思ってるだけなのですが😅

さらに思うのが、ハリウッドを代表する名監督にして大プロデューサーのスピルバーグが、作るだけなら何時だって撮れたのに、今、この時代に、なぜ本作だったのかを考えると物言わぬ巨人の危機感がひしひしと感じられると言うか、なんと言うか、純粋に作品だけを楽しむ訳にはいかないと言うか。

ともあれ文句なく面白い、ダンスシーンの迫力も満点な、劇場鑑賞がオススメの映画ですよ