このレビューはネタバレを含みます
極めて目に頼る動物である人間が、見えない状況でもなお強い意志を持ち続ける事ができるか。
それを試す映画
試練を越えていくような話で
急流の川下りもそれ
まるでバイブルみたいな話
モンスターの正体がわからなくてモヤモヤする人が多いようだが、正体は何なのか?というミステリー映画ではないので仕方ない。そういう姿勢で観るとガッカリすると思う。
この物語の中心はあくまで「試される人間」であって、モンスターの正体ではない。
モンスターはあくまで比喩であって、黒人の太ったお兄ちゃんが言ってたように宗教的にいうとそれは悪魔なんだけど、悪魔は人の弱い心に入り込むわけだから、つまりモンスターってのは自分の弱さのメタファーと言える。
試練を越え、モンスター(=自分自身の闇)に勝つ事で、自由になる。
バードボックスの鳥が最後に自由になるように。
どうやって勝つのかっていうと、それはトムが言ってたように、「希望」である。
だからトムは子供達に自然の話をして希望を持たせようとした。
それを見てしまうことで人格が変わってしまう、元に戻ることはできない、
という設定がとても好き。
要は概念である。
それを知ることで全てが変わってしまうという事。
「ゴーストストーリー」もそうだった。
一度知ると、知る前には戻れないんだ
目が変わっていく様を見ていると、一体何を見て、何を感じているんだろうって、すごく興味深くて、不思議で、ワクワクする。
あれを見てしまった時のトムの表情とかたまらん。
なんとなく、アナイアレーションを観た後と似た気持ちになったな