方眼

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの方眼のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

2023年”Killers of the Flower Moon”。1920年代オクラホマ。カンザスから移動させられオーセージ族は居留地へ。石油が出て、一躍裕福に。でも”無能力者”なので白人後見人が資産を管理する。「ジャイアンツ」のようにブラックダイヤモンドで成金誕生、集まってくるクセ者たち。「大いなる勇者」のレッドフォード的に登場、もっとヌケてる男前アーネストのディカプリオ。「折れた槍」のトレイシー親父に代表される一家の主で地元の名士、キングと呼べとヘイルのデ・ニーロ。石油が出てから、オーセージのモーリーといい仲になるまで、ビートが効いててノッてくる。ヘイルの言う事を聞き、染まり絡め取られるアーネスト。悪事を為す映画の快感「ウルフオブウォールストリート」、観てるこちらも共犯「陽のあたる場所」、そのうち現実が溶けていくような浮遊感「シャッターアイランド」。「ディパーテッド」と同じく悪魔のささやきは映画館で。典型的西部劇では、好戦的部族(アパッチ、スー、シャイアン、カイオワなど)とのドラマが描かれ、調和的な部族(チェロキー、チカソー、チョクトー、クリーク 、セミノールの五分族、そしてオーセージも)は最初から仲間や交易相手として描かれてきた。ヒチコック風疑惑サスペンスのヒロインがネイティブという視点。連邦捜査官ノアールでもある。KKK、フリーメイソン(Jエドガーも)、タルサ黒人虐殺などへの目配り。ヘイルの言い分、丸め込みはトランプを想起。男はアル中、女は糖尿病。インスリン。密造酒。クリケットバットでシリたたき。サングラスの代わりに自動車乗りゴーグル。追い込まれてギリギリのところで最後少しの魂「沈黙」。今作イチのデ・ニーロは、アーネストが3人目の子供が出来たと言ったときの表情、"お前また始末しないといけない相続人増やしてんの、わかってんのか?"の顔。
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