みかんぼうや

殺さない彼と死なない彼女のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
2.2
嗚呼、私はなんでこの作品を選んでしまったのだろう?明らかに自分が最も苦手なタイプの邦画キラキラ系ティーン映画の雰囲気は漂っていたのに。最初の5分でその雰囲気を感じとり、慌てて予告編観たら「これは自分がかなり苦手なノリだ」と確信したのに・・・

実はちゃんと選んだ理由があるのです。この映画、どうやらただの青春キラキラティーン恋愛映画では終わらない“急展開”と“深さ”が後半に待っているという批評をいくつか見ていたのです。なので、1時間半のあまりにも自分に合わなすぎる登場人物、演技、作風という苦行を乗り越え、ようやくラスト30分頃にその展開に辿り着きました。

なるほど・・・確かにやられた感はありました(ある意味で今や王道とも言える見せ方だけど)。が、そこにいきつくまでに、生身の高校生味がないアニメキャラ感満点の登場人物たちに全くのめり込めないどころか完全に引いてしまっていたし、それを演ずる俳優たちが学芸会のように見えるし(キャラ設定どころか台詞までアニメっぽくて、全俳優の演技が不自然に見えてしまう)、確かにただのキラキラ胸キュン作品ではない攻めた姿勢もあるのでしょうが、後半の演出も含めて、やはりキラキラティーン映画の範疇に感じてしまいました。

ラストシーンにつれて大感動、というのが本来の流れなのだろうけど、私にはかすりもしないほど何も刺さらず、不自然な高校生同士の非現実的な恋愛群像劇を見続けただけ、という印象で、作品全体を通して全く見どころが分からなかったです。

ただ、誤解のないように書くと、私がキラキラティーン映画が苦手なだけであって、そうでない方にとっては、後半の展開などフックも色々あってとても面白い作品なのかもしれません(実際に、フィルマの評価はかなり高めだし)。ただ、私はやはり同じ高校生物でも「のぼる小寺さん」や「桐島部活やめるってよ」のようなある意味地に足の着いた作品のほうが100倍好みです。

主演の間宮祥太朗は名前も人気があることも知っていたけれど、演技を見たのは初めて。だが、この演出とキャラ設定はあまりにもわざとらし過ぎて、ちょっと苦手意識のほうが強くなってしまいました。ルックスは抜群ですが。同世代の俳優さんだと、やはり池松壮亮、若葉竜也、藤原季節のほうが自分にとっては断然魅力的。

もし自分が高校生の時に観ていたら、もっと全然違う感覚で楽しめたのかな、この作品。
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