客観的に見ると、なんでもないような、どこにでもあるような、平たく言えば自分探しのお話。
でも、それだけの話にここまで心動かされるのはなんでだろう。ふとした表情や行動にぐっと引き込まれる。その瞬間瞬間に、時にはいらだち、悲しみ、嘆きながらも、癒やされ、毒気がぬけ、貼り付けた笑顔がなくなり、自然な表情になっていく。その展開があまりにナチュラルで、素敵で、そして人の心に刺さる、そして動かされる言葉がつまってる。
見終わった後も印象的なシーンがいくつも浮かび、言葉が残り、結果自分自身の毒気もいやされている、そんな素敵な映画。きっと監督は一言一言にしっかりと意味を持たせ、その言葉の重み、をきっちりと表現できる、砂さんみたいな人なんだろうな。