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ホテル・ムンバイのdaiのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
4.3
2008年インドの金融都市ムンバイで起きたテロ事件。テロリストの少年たちは、五つ星のタージマハル・ホテルを占拠し、無慈悲に片っ端から人を殺していく。デヴ・パテル扮するアルジュンは給仕として任務に就いていたが、銃声を聞き、客を守るため奔走する。インドの特殊部隊は1300キロ離れたデリーに配備されているため、ムンバイへの到着はだいぶ時間がかかる。ホテルスタッフは自らの命をかけて客を守ろうとテロリストに立ち向かうのである。

テロリストの少年たちはある首謀者から雇われ犯行に及んでいる。その背景には宗教と貧困という文化的要因が垣間見えた。原理主義的思想の下では神の意思は絶対なのだ。

アルジュンがシーク教徒の誇りであるターバンについて語るシーンはとても熱いものがあった。テロリストにもアルジュンにも信仰がある点では共通しているのである。

宗教と貧困が混在する文化において、この事件は現実として対峙しなければいけない大きな問題である。テロ事件と簡単には片付けられない文化的背景をとても鮮明に描いた作品だったと感じた。
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