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オオカミの家のあのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
4.3
配給 ザジフィルムズ

時にグロテスクに 時に繊細に
美しさの中に混沌とする表現の数々に一体何を見せられているのだろうか...と心を掻き乱されるような儀式的な鑑賞体験
ストップモーションの不安定さを敢えて活かしていて面白い
この監督の他の作品もぜひ観てみたい

オオカミの存在が感じられるとき、その色使いはモノクロに
鮮やかな色を使われている時も 背景にはどこか必ず暗い部分があって常に囚われているような表現になっている

スペイン語とドイツ語が混ざり合う中、オオカミが呼び戻そうとするシーンは全てドイツ語になっており悍ましい

終盤マリアが“Hilf mir bitte.”という言葉を放ってしまうのがやはりコミューンから逃れられない運命のようでゾッとした

作り手は大変だったろうに、クリエイター泣かせの映画
メイキングが観てみたい

アリ・アスターがめちゃくちゃ好きそうだな、と思ってググったらすでに短編の『骨』の制作総指揮に関わっていた
大昔に作られましたよみたいな体をとっているのも面白い
家で支配される状況は昔も今も変わらないのでは

デジタル時計やポケモンのステッカーなどものすごく現代的な要素が入っているのも今を表現しているのだろうか 皮肉

映画館、舞台挨拶か何かあるのかと思うほど人が珍しく入っていて(しかも映画普段観てなさそうな人も多い)口コミやSNSの宣伝にがうまくいっているんだろうな
あ