知

影裏の知のネタバレレビュー・内容・結末

影裏(2020年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

【ストーリー(公式HPより)】
今野は、会社の転勤をきっかけに移住した盛岡で、同じ年の同僚の日浅と出会う。慣れない地でただ1人、日浅に心を許していく今野。2人で酒を酌み交わし、釣りをし、たわいもないことで笑う…
まるで遅れてやってきたかのような成熟した青春の日々に、今野は言いようのない心地よさを感じていた。

夜釣りに出かけたある晩、些細なことで雰囲気が悪くなった2人。流木の焚火に照らされた日浅は「知った気になるなよ。人を見る時はな、その裏側、影の一番濃い所を見るんだよ」と今野を見つめたまま言う。突然の態度の変化に戸惑う今野は、朝まで飲もうと言う日浅の誘いを断り帰宅。しかしそれが、今野が日浅と会った最後の日となるのだった—。

数か月後、今野は会社帰りに同僚の西山に呼び止められる。西山は日浅が行方不明、もしかしたら死んでしまったかもしれないと話し始める。そして、日浅に金を貸してもいることを明かした。日浅の足跡を辿りはじめた今野は、日浅の父親・征吾に会い「捜索願を出すべき」と進言するも、「息子とは縁を切った。捜索願は出さない」と素っ気なく返される。さらに日浅の兄・馨からは「あんな奴、どこでも生きていける」と突き放されてしまう。

そして見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔だった。
陽の光の下、ともに時を過ごしたあの男の“本当”はどこにあるのか—。
いなくなって初めて見えてくる光と影。彼の「真実」は何を照らすのか—。

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わかりにくい箇所が多々あるため、このストーリーを読んでから鑑賞すれば良き。どこに着目すべきなのか、山場はどの当たりなのか、が分かるし、この基礎知識がないと難しい気がする。

盛岡の街並みがとても素敵に映し出されていた。お祭りのシーンや踊りの練習シーンは何のために入れたのだろうか。盛岡のPRのためだったら、正直全く必要なく感じた。

綾野剛の哀愁漂う役、毎度吸い込まれる。悲しい表情や悲しい背中に見入ってしまう。守ってあげたくなる存在というやつ。
松田龍平の岩手弁がとても良い。普段感情を表に出さない役だからこそ、「知った気になるなよ。人を見る時はな、その裏側、影の一番濃い所を見るんだよ」の力強さがとても印象的だった。
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