"Black blood beats blind behind white!"
オークランド州に住む仮釈放保護観察が解けるまであと3日と迫った引越し屋の黒人の若者と、地元のやんちゃな白人仲間が繰り広げるアンダーグラウンド系バディムービー。
黒人ならではのヒップホップと様々なクラブミュージックが印象的な演出でありながら、根底にはこのオークランド集が抱えている貧困層のライフスタイルや危険性が皮肉たっぷりに描かれている。
リアリティと映画的サスペンスのバランスが程よくて、日常に潜む危険性と事件性がミックスされていて良い。笑えないジョークが嗤える。
本作で一番学んだのは、アメリカ人自体が誰よりも銃社会に怯えているということだ。そして黒人達は永遠に差別と戦っていかなければならないさだめにあるということ。
そこら辺の悲哀もリズミカルなんだけど、ディープに描かれている。
タイトルのブラインドスポッティングはロールシャッハテストとかで出る人かつぼに見える絵のヤツから来てる。
そのトリックになぞらえて白刃と黒人のコントラストをディスりまくる主人公の魂の訴えに気づくと涙が出ていた。
クライマックスの彼の生き様がクール。そして相棒の白人もクレイジーだけどハートフル。
人生の辛さと清々しさが素晴らしくミックスアップされた、白も黒もなく、グレーにアツい一本です！
