KnightsofOdessa

9 Fingers(英題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

9 Fingers(英題)(2017年製作の映画)
2.0
[劣化版パヴリコフスキはやはり劣化版でしかない、F.J.Ossang特集⑤] 40点

MUBIにF.J.Ossangなるフランス人監督の特集が始まっており、最新作(2017)である本作品をスタートに彼の全ての長編作品
「Dharma Guns」(2010)
「Doctor Chance」(1997)
「Treasure of the Bitch Islands」(1990)
「The Case of the Morituri Divisions」(1985)
の配信が始まった。普通ならスルーするのだが、「Doctor Chance」の一枚絵が魅力的だった(MUBIの一枚絵はいつも魅力的だが)ので特集を追ってみることにした。

というテンションも束の間、余り響かなかったせいで見終えるのに苦労した。印象としては"キレのないパヴリコフスキ"という感じであり、キレで映画を押し進めているパヴリコフスキからキレを抜いたら何が残るかという単純な問いにOssangは答えてくれたように思える。ショット自体はそんなに悪くなかったから多分編集と物語のせいだな。水で薄めたトム・ハーディみたいな主人公は魅力も薄めだし、緩慢なテンポのわりに台詞が多すぎる(あんまり読んでないけど)。パヴリコフスキの圧倒的勝利をOssangが証明してしまった。映画は点じゃなくて線なんだよ(誰だよ)。
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