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MISS OSAKA ミス・オオサカのakrutmのレビュー・感想・評価

MISS OSAKA ミス・オオサカ(2019年製作の映画)
3.3
デンマーク人の女性が大阪のキャバレーで働きながら自分を変えようとする姿を描いた、ダニエル・デンシック監督のドラマ映画。内気で消極的な性格の女性・イネスは、恋人と訪れたノルウェーで日仏ハーフの女性・マリアに出会い、その自信に満ちた姿から彼女に心酔する。二人でオーロラを見に出かけた先でマリアは川で溺死してしまい、変身願望があるイネスはマリアになりすまして日本に入国し、彼女が働いていたミス大阪というキャバレーで働き、異文化に触れながら自分を変えようとする。

ダニエル・デンシック監督が大阪にとても興味を持っていて、大阪を舞台に映画を撮りたかったという熱意は感じられる。実際に、子供の頃から OSAKA が好きだったとインタビューで述べていて、東京が日本の外向けの顔なのに対して、大阪は日本の内向きの顔だとも語っている。キャバレー、競輪、カプセルホテルのようなアイテムに注目しているのも、日本人にとっては面白い。ちなみに、ミス大阪は実在する老舗のキャバレーらしい。主人公のイネスを演じたビクトリア・カルメン・ソンネの幸薄感も良い。

でも、すべてが中途半端のままに終わってしまうストーリーは✕。いくら大阪を撮りたかったからといって、ちゃんとしたサスペンスにも成長譚にも出来たと思えるだけに、このつまらなさは本当にもったいない。
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