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スウィング・キッズのShinMakitaのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
1.8
朝鮮戦争下の米軍捕虜収容所。捕虜たちは北朝鮮兵や中共の兵士たちが混在しており、中ではかなりの自由が許されていた。欧米文化に触れさせて、共産主義者である彼らを思想的に「転ばせる」のも所長の目的だったのだ。捕虜内で人気者なのは北朝鮮兵のロ・ギス。兄が軍の伝説的闘士で、ギス自身も米兵に楯突いてトラブルを起こしていた。ある日。所長が赤十字相手の宣伝のため、捕虜たちのダンスチームを作ろうと言い出し、タップダンサーである米軍曹ジャクソンにメンバー選別を一任した。ジャクソンのダンスに惹かれていたギスもメンバーに加わることになるのだが…


「スウィングキッズ」。

以下、クソ・ネタバレオロギー


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タップダンスとイデオロギー、対立する2人が踊りを通じて理解し合うというアウトラインから連想するのがグレゴリー・ハインズ&バリシニコフの「ホワイトナイツ」。これを韓国らしく料理したのが本作です。前半のスラップスティックなコメディ、時代考証無視ゆえにカッコよく現代的なダンスシーン、ダンスメンバーの個性など、牧歌的で楽しい映画だなぁと見入っていると、手足を無くした北朝鮮兵が現れて一気に不穏な展開になっていきます。ハッピーエンド・バッドエンド、どちらに転ぶかわからないあやふやなトーンでクライマックスに向かうわけですね。シリアス部分があまりにキツくて、これはダンス映画である前に戦争映画だったんだと気付かされてしまいます。

かなり面白かったのは間違いないんですが、あのダンス伍長や銃を隠す眼鏡など、若干描写が不完全なとこもあり、アラも散見されます。「サニー」の方が笑いとシリアスの配分・着地の巧さと爽やかな鑑賞後感としては上でした。
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