やまひろ

天気の子のやまひろのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.6
『神様、お願いです。これ以上僕たちに何もたさず、僕たちから何も引かないで下さい』

2019年公開、日本のアニメーション映画作品。新海誠監督
キャッチコピーは「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」


大ヒットした前作「君の名は。」から3年ぶりとなる、アニメ映画
またしてもRADWIMPSが音楽を担当、ボーカルの野田洋次郎は音楽監督も担当している。

新海監督の作品は、風景や景色の自然美をアニメーションで表現する映像力が魅力と思っているが、今作でもそれは健在。
ただし、今作は東京の都会の風景が多く、自然美というよりも「雨の都会」を美しく表現している。

前作はストーリーがごちゃ付いている印象だが、今作はとてもシンプル
そういう意味では個人的には前作よりも好きかもしれない。

家出少年の帆高、天気を晴れにする不思議な力を持つ陽菜
2人の年齢が15歳、16歳ということもあり、その世代(高校1年前後)の若者にはとても受けるんだと思う。

しかし、30代のおじさんにとっては、どうしても2人の行動が社会を甘く見ている風に思えてしまった。
年齢を偽って面接に行くなんて、そりゃ犯罪でしょ。今の時代それは通用しないよと思って見てた。


正直、映画を見て約1ヶ月は経過してからこれを書いているが、あまり印象に残っていないことに気づいた。あと、すぐにレビューを書かなかった、いや書けなかったのだ。

けっして悪い作品ではないんだけど、なぜか心揺さぶられない(いい意味でも悪い意味でも)
また観たいと思える作品ではなかったかな。

なぜなのか、思いつく事
・企業プロモーションが多い(ソフトバンクとか、お父さん犬が登場しているとかどうでもいい)
・伏線を回収しない(透明の水の魚?とか、2人にまったく絡ませないならあの場面はいるのか?)
・帆高の家庭環境が最後までなぞ(結局家に戻ってたけど、何があって家を出たのか分からない)
・タレント声優の違和感(まぁこれは仕方ないかな)

とかね。

あと、一番思ったのは、ラストが勢いで終わらせた感が強すぎる。
なんかもう何の説明もないままに、帆高が陽菜を助けにいって世界がどうなろうといい!みたいな感じで終わり、雨の降り続ける世界になりまし。
ってなんだその展開・・・

前作でも感じたが、勢いで終わらせようとするのは色々勿体ない気がするな。


とはいえ、悪い作品とは思わないので、単純に見たら面白いと思う。
「君の名は。」とリンクしている演出も個人的には良かったかな。
やまひろ

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