nagaoKAshunPEi

2分の1の魔法のnagaoKAshunPEiのネタバレレビュー・内容・結末

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

明朗快活な兄とは対照的な内気で引っ込み思案な弟を軸に「父の不在」を通して、自らや家族と向き合い前へと進む物語。
魔法が失われた空想上の世界という突飛な世界観とは裏腹に、オーソドックスな物語構成ではあるが、終盤で彼の物語から彼の物語へと視点が一気に転換される瞬間に全て持っていかれた。
すでにいない父との思い出作りに固執する弟が、父の不在を兄が埋めてくれていて、さらにその思い出は今もなお続いていることに気づき、父との思い出を作る瞬間を兄が出来なかった父との決別に捧げたあの場面は、思い出しただけでも涙腺が緩む。
ピクサーにはこれからも潤沢な資本で、極私的でパーソナルな物語を紡いでいってほしい。
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