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HELLO WORLDのHrtのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
2.7
京都アニメーション出身の方がキャラクターデザインを担当していて、それが一目で分かるくらい京アニ感があってエモい気持ちになってしまった。
東宝作品らしく『君の名は。』以降のラインで作られたのは疑いの余地がない。
ただ、キャラクターが薄い。
十分に描写する時間を与えられず早々に本題に入ってしまい、それ故にあそこまで奔走する主人公の確固とした意志に逆に疑問を持たざるを得なかった。
上映時間100分以内のオリジナルアニメという敷居の低さは悪くない。だけどこの物語なら2時間ないと厳しい。

良い点としては声優と音楽。
若干浜辺美波感が強いなと思いつつも3人とも上手くハマっていた。
OKAMOTO'Sが劇伴を担当する日が来るとは。
特に未来的サウンドを求められた作品でOKAMOTO’Sの起用はとても意外で、しかも機能していたのには驚かされた。
普段のバンドのグルーヴとは離れ、エレクトロニックな音像との共存を成功させている。
しかしofficial髭男dism提供曲のサビを切り取って使う演出には閉口。
新海作品はイントロからサビまでのシークエンスをしっかり描くので思わず比較してしまった。

美しい映像と音楽は相乗効果を発揮していたと思うが、さっきも述べたようにキャラクターが薄くそれによってストーリーも中途半端になっていたので残念だった。
鑑賞側として簡単に言うのは気が引けるがプロットがもう少し練られてればな、と。

監督のフィルモグラフィの中でのオマージュを感じ取れたのも良かった点の一つに数えたい。
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